岩手県北上市立江釣子小学校  指導案

 
Ⅰ 研究目的

インターネットを中心とした情報通信技術(IT)が、日常の生活に浸透してきている今日、学校教育において、情報を主体的に整理・発信・収集する力(情報活用の実践力)の育成が必要とされている。小学校では、各教科等の指導にあたり、児童がコンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段に慣れ親しみ、適切に活用する学習活動を充実し、情報化に対する教育を行うことが必要であると考える。本校では、平成10年度にコンピュータが導入され、各教科においてソフトの利用を通して児童がコンピュータに慣れ親しむ活動を行っている。しかし、情報通信ネットワークなどの情報手段に慣れ親しむという視点からのコンピュータの活用については、ほとんど行われていなかった。本年度11月からインターネットが導入されたが、これから、インターネットを活用した学習活動が行われることを考えると、コンピュータを活用したコンュニケーションを行うための環境を整備し情報活用の実践力を育成することが必要であると考えた。本研究では、コンピュータのマルチメディア、ネットワークの有効性を活かし、小学校音楽科のふしづくりにおいて、コンピュータを用いてふしづくりの活動を行い、そのふしを紹介する個人のホームページを作成し、さらに、ホームページ上でふしを鑑賞し、ふしに対しての感想を書き込んで相互に意見交換するといった活動を行う。つまり、コンピュータおよびコンピュータネットワークを音楽科における表現や鑑賞の補助的手段として、また、学習活動における児童間のコミュニケーションの手段として活用していくことにより、情報活用の実践力の育成を図ることを目指したものである。

 
Ⅱ 研究仮説

音楽をつくり表現する活動において、自分の作品に対する思いや願いをこめた作品紹介のホームページをつくったり、友達の作品に対しての感想や意見をコンピュータネットワークを通して伝えたりすれば、情報活用の実践力の育成が図られるであろう。

 
Ⅲ 研究の方法と内容
1 研究の内容
(1) 音楽をつくり表現する活動と情報活用の実践力の育成に関する基本構想の立案

音楽をつくり表現する活動や情報活用の実践力についての基本的な考えをまとめ、情報活用の実践力を育成するためのコンピュータソフト及びネットワークシステムについての基本構想を立案する。

(2) 基本構想に基づく指導試案の作成
基本構想に基づいて、情報活用の実践力を育成するための指導試案を作成する。
(3) コンピュータソフトの選定及びネットワークコミュニケーションシステムの構築

基本構想に基づいて、音楽をつくる活動及びネットワークコミュニケーションを行うためのソフト選定やシステム構築を行う。

(4) 授業実践および実践結果の分析・考察

情報活用の実践力を育成するための指導試案に基づき、選定したソフト及び構築したネットワークシステムを用いて音楽をつくる活動の授業実践を行う。授業実践の結果に基づいて、情報活用の実践力の育成について分析と考察を行う。

 
2 研究の方法
(1) 文献法

文献を参考にし、音楽をつくる活動やネットワークコミュニケーションについての基本構想を立案する。

(2) 質問紙法

情報活用の実践力の育成に関する意識調査を行うため、質問紙を作成し、授業前と授業後に調査を実施し、その結果について分析と考察を行う。

(3) 観察法

コンピュータネットワークを用いた学習場面において、児童の活動の様子を観察、記録し、情報活用の実践力の育成状況について分析と考察を行う。

(4) 授業実践

授業実践を通して、音楽をつくる活動におけるコンピュータネットワークの活用が情報活用の実践力を育成することの有効性および指導試案の妥当性を検証する。

  
  

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