東京都日の出町立本宿小学校  指導案

平成14年度 西多摩小学校教育研究会
 

音楽科研究部 学習指導案

        

2002年12月18日(水)5校時
日の出町立本宿小学校
4年1組 竹窪和美 学級
(男子12名 女子19名 計31名)
指導者 作山秀樹
     
 
1.研究主題   心を開いて音楽を楽しめる子どもを育てよう
2.題材     「コンピュータを活用した創作活動の工夫」
3.単元名    〈コンピュータを使って楽しく作曲をしよう〉
4.単元の目標
コンピュータに慣れ親しむ(基本的な操作を身につける)
創作活動を楽しむ(気軽に作曲し、創作への意欲・関心を高める)
音楽ソフトの機能を使って様々な音色等の組み合わせの工夫(創造性の広がり)
楽譜の知的理解への糸口(拍子・拍節・音休符等の仕組みの理解)
  
5.題材設定の理由

 近年、学校教育に於いて情報教育の推進が叫ばれ、各学校にコンピュータを設置されるようになった。コンピュータとは高い情報処理能力だけでなく、専門的技術の習得や修練を要するものも、個人レベルでは到底不可能であったことも、目的にかなったプログラムを利用すれば、誰でもが短時間でいとも簡単に実現できてしまうという、とても便利な機械である。
 音楽というものは空気の振動であり、形としては存在しないが、人間の精神には密接に深く関わる形而上学的な芸術である。人間はそれを実体化するため、保存・再現するために楽譜というものに記録し、近年では録音機材を開発した。音楽における創作活動の難しさは、生み出した音を忘れないうちにどう記録し、構築させるかにある。方法は様々あるが、楽譜としてまとめ上げるには、いわゆる“天才”を除いては、譜読力&高いレベルでの知的理解・修得が要求される。その方法は小学生にとってもとても難解であり、慣れるまでかなりの時間と労力を要するものである。
 ところがコンピュータ(音楽ソフトがインストールされたもの)を利用すれば、楽譜への知識や理解が未習熟であっても、ソルフェージュ能力や器楽演奏の技術が無くても誰でもが簡単に音楽を創作(作曲)することが可能となった。更には創作したものがその場ですぐ再現でき、修正や発展できる利点は大きい。音楽の授業に於いてこれをうまく利用し、子ども達の創作(作曲)活動への意欲向上

や楽譜への知的理解への促進につながるのではないかと考え、本題材を設定した。
 
6.指導目標
ア.コンピュータの操作に慣れる。(マウス操作・キーボード操作・ファイル管理等)
イ.音楽ソフト(音楽帳)の様々な機能や使い方を知る。
ウ.拍節やリズム、自然な抑揚を大切にしたメロディーを作曲する。(純音楽として)
エ.作曲したメロディーを基に音色や伴奏等を工夫し創造性を広げ創作を発展させる。
 
7.今回使用した音楽ソフト カワイ音楽帳3.0より たのしいおんがく
『おとであそうぼう』
  
8.題材の評価の規準
[関心・意欲・態度]
・コンピュータの適切な操作をしている。
・課題に対して理解をして、創作活動をしている。
・パートナーと協力して取り組んでいる。
[感受・表現の工夫]
・リズム・音高をバランスよく組み合わせて作曲している。
・作ったメロディーを大切にして音色や伴奏等を工夫している。
[表現の技能]
・音楽ソフトの様々な機能をうまく使い分けている。
・基となるメロディーを大切にして創作を発展させている。
[鑑賞の能力]
・友人の発表を尊重した態度で鑑賞することができる。
・それぞれの曲の感じや音色や響きの違いや工夫を感じ取って聴くことができる。
   
9.児童の実態

 1年生からクラス替えもなく、単学級で学校生活を送っているせいか、お互いの性格がよく分かり合えているようで、明るく和やかな雰囲気がある。ただ一人一人になると、自分をどう表現したらよいかとまどってしまう場面がしばしば見られる。精神面で幼い子と成長している子との差が大きく、様々な活動においてはその差が能力となって顕著に現れ、特別に個別指導が必要な児童もいる。ただ、

全体としては明るく素直で活動的なクラスである。
   

    

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