岩手県北上市立江釣子小学校  指導案

 
情報を整理する力について

コンピュータネットワークを通して多くの友達にふしを聴いてもらい感想や意見を得るためには、どのようにふしをイメージしてつくったのかなどのふしに対する思いや願いを、相手により分かりやすく伝える方法を児童に考えさせる必要がある。本研究では、自分の発信する情報を相手に分かりやすくホームページにまとめる力を情報活用の実践力における情報を整理する力ととらえた。

 
情報を発信する力について

コンピュータネットワークを通して収集した情報をもとにコミュニケーションを行うためには、内容について自分の考えを持ち、その考えを相手に発信することが必要である。そこで、本研究では、作成したふしやふしの情報をコンピュータネットワークで児童が各コンピュータから鑑賞し、その作品に対して持った意見や感想をコンピュータネットワークを通して発信する力を情報活用の実践力における情報を発信する力ととらえた。

  

(2) コンピュータで音楽をつくり表現する意義

今までは、曲づくりといえば、一般的には旋律楽器によってふしづくりを行い、それを楽譜に記述し作品として残すという方法が一般的であった。しかし、演奏される曲は、音としてその場では聴くことができても、カセットテープなどへ録音をするという過程を踏まなければ音の記録としては残らない。また、楽譜として作品を残すことはできても誰もがそれを見て曲をイメージすることは困難であり、仮に演奏できたとしても作者のイメージとは異なる場合も考えられる。また、本人が演奏できたとしてもいつも思い通りの同じ演奏になるとは限らない。しかし、コンピュータを用いた音楽の実践から、コンピュータを用いた曲作りでは、以下のようなメリットがあることが分かった。

 
楽器の演奏が苦手な児童でも比較的容易に曲づくりかできる。
曲をコンピュータに演奏させ、実際の音を確認しながら曲づくりができる。

コンピュータにデータを記録しておくことでいつでも誰にでも作者の意図通りに演奏させることができる。

つくった曲を正確な楽譜にして印刷することができる。
曲に対しての思いや願いを絵や写真、文字などで画面上に表現することができる。
 

そこで、音楽をつくり表現する活動にコンピュータを活用することで、児童の興味・関心に応じた学習、児童それぞれの個にあったぺ一スでの学習を行うことができると考えた。

  
(3) 音楽科においてコンピュータを活用してコミュニケーションを行う意義

コンピュータを音楽の授業に用いる活動は、二年前より実践してきている。これまでの、「ふしづくり」の活動を通してコンピュータでの曲づくりでは、つくった作品(歌や曲)についてお互いに聴き合い感想を相手に伝える等のコミュニケーション活動を学級内の友達や各班の中では比較的活発に行ってきた。しかし、学級間、学年間など学級の枠を越えた発表は、時間や場所の制約がありと取り組むことができなかった。
そこで、本研究では、コンピュータの活用を学年に拡大し、さらに、コンピュータネットワークの特性に着目し、コンピュータネットワークを音楽科の学習に取り入れることにした。コンピュータネットワークの特性として次のことが考えられる。

ネットワーク上のクライアントコンピュータ(児童用コンピュータ)からサーバーコンピュータに接続してファイルの保存・修正ができる。

クライアントコンピュータから作成したファイルを別のクライアントコンピュータから保存・修正が可能である。

時間的に制約されることが無く、いつでもファイルにアクセスできる。

サーバーコンピュータにすべてのファイルが保存され、ファイルの保守・管理が容易である。

ネットワークにつながっていれば、場所の制約がない。
 

これらの特性を生かし、コンピュータネットワークを通して、学級内だけでなくより多くの人に作品を聴いてもらい、それに対して意見や感想をもらい、さらに進んだ段階では、コンピュータネットワーク上の掲示板等を利用して意見交換を行うなどの活動を行うことにした。つまり、コンピュータネットワークによってコミュニケーションの手段が増え、自分の曲を多くの人に聴いてもらいたいという願いやより多くの友達の曲を聴いてみたいなどの要求に応えることができるのではないかと考えた。

  

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