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熊本県益城町立飯野小学校

和音の美しさを味わおう

熊本県益城町立飯野小学校 指導案

icon_110070_256 こちらのサイトで授業の様子が公開されています。ぜひ参考にしてください。

第6学年音楽科学習指導案

日時:平成27年10月22日(木)第5校時

場所:6年生教室

指導者:吉田 真紀

学習者:第6学年4組

1.題材名

「和音の美しさを味わおう」(教育芸術社)

教材「星の世界」「雨のうた」「和音の音で旋律づくり」

2.題材について

(1)題材観

本題材は、合唱や器楽合奏を通して和音や和声の響きの美しさを味わうことを目的としている。「星の世界」は、音の重なりや 旋律、フレーズを意識して歌うことを通して、和音の響きの変化が二小節ごとに見られ、和音の構成がわかりやすい。また、続く感じや終わる 感じがつかみやすい。「雨のうた」では、和音の中から1~2音ずつを分担することで、容易に合奏することができたり、和音の構成や各音の 役割について理解したり、その中で長調や短調の和音の響きの違いとその移り変わりを感じ取ったりすることに適した題材と言える。最後に 「和音の音で旋律づくり」は、和音の構成の中から主旋律となる音を選ぶことができるので比較的容易に創作活動ができるとともに、中学校 から始まる旋律創作の学習への橋渡しにもなる題材といえる。

(2)系統観

児童はこれまでに、旋律や音が重なり合うきれいな響きを感じ取る活動を行ってきている。その中でも、ハ長調やイ短調の Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅴ7の和音については前学年で学習しており、これらを活かした器楽合奏教材を合奏することを通して、長調や短調の和音の 移り変わりやその響きの美しさを十分に味わうことができるであろう。

そのために、合唱や合奏の活動を楽しませながら楽典的内容を確実におさえるようにする。また、和音の響きを十分に聴かせ たり、ICTを効果的に活用したりすることにより、和音の表情を十分に感じ取ったり味わったりすることができるように工夫する。

(3)児童観(男子8名 女子6名 計15名)(児童アンケートより)

項 目 ×
① 音楽科の学習は楽しい(好きである)。 12
② 音楽づくりをする学習は好きである。
③ 音楽を表現するとき、自分の思いや考えが伝えられるように積極的に取り組んでいる。
④ グループ活動をするとき、友だちと協力して取り組んでいる。 12
⑤ グループ活動をすると、友だちの意見や考えが参考になる。 11
⑥ タブレットPCを使った学習はわかりやすい。

本学級の児童は、比較的音楽科への興味関心が高い。音楽づくりについては、友だちと協力して創作することへの楽しさを感じ ている児童も多い。 しかし、リズムなどの楽典的なことへの苦手意識や、創作活動への有用感を感じていない児童も数名見られる。合唱や合奏などの表現活動を通じ て楽典的内容を段階的、継続的に習得していくようにしたい。その際、ICTも効果的に活用し、楽しく学べるよう工夫する。また、毎時間のめあて と、単元を通してつけた力を今後にどう活かしていくのかを明確に提示しながら学習を進めていくようにする。

総合的な学習の時間や国語科などでは、タブレットPCを活用して、写真や表を貼り付けながら新聞やリーフレットを作成するこ とができた。タブレットPCを使って考えたことをまとめる経験をしている。

(4)指導上の留意点(本校の研究仮説から)

視点① 授業場面やねらいに応じたICT活用

〇合唱の練習では、各パートの旋律の入ったタブレットPCを音源として活用することで、旋律の動きを視覚的に捉えたり、歌いたいところから何度も練習したりしやすくする。

○和音を構成する各音に着目し、タブレットPC上で構成音の音量を変えながら響きの違いを捉えさせ、それぞれのパートの役割を理解したり、より響きのあるハーモニーをつくったりする手助けとする。

○前時までに作成したリズムと和音の伴奏譜を電子黒板で再生することで、本学習への見通しを持たせたり、活動への意欲を高めさせたりする。(本時)

○各グループが作ったメロディと和音伴奏譜を電子黒板でつなげて提示することで、曲の全体をつかませたり、さらに練り上げたりさせる。(本時)

○児童に音楽ソフトを活用させ、リズムと和音伴奏に合うメロディを考えながら、学級歌を作り上げさせる。(本時)

視点② 「学び方」や「学び合い」の共通実践

○単元を通して、グループ活動を大切にする。各パートの旋律やその役割についてグループ内で話し合ったり聴き合ったりする活動を通して、互いに学び合う環境づくりに努める。

○1台のタブレットPCを少人数のグループで活用することで、個々の創意工夫を互いに聞き合うことができるようにする。さらにそれを電子黒板で提示することで、さらに深め合う機会を設ける。

視点③ 「学び合い」の基盤となる人間関係構築

○十分に歌ったり演奏したりする活動を行い、互いの頑張りを伝え合うことを通して、自分たちの表現に自信をつけさせる。同時に、互いの発言を受容的に受け止める雰囲気づくりに努める。

○学習のはじめにわらべうたを使った音楽活動を取り入れ、朗らかな学級集団づくりの形成に努める。

3.題材の目標

〇和音の響きやその変化を感じ取りながら、歌ったり演奏したりすることができる。

○和音の移り変わりを味わいながら、まとまりのある旋律をつくることができる。

4.題材における観点別評価規準

ア 音楽への関心・意欲・態度 イ 音楽表現の創意工夫 ウ 音楽表現の技能
①各声部の歌声や全体の響きに興味・関心をもち、自分の声を調和させて歌う学習に主体的に取り組もうとしている ②ハ長調やイ短調の楽譜を見たり範奏を聴いたりして、楽器で演奏する学習に主体的に取り組もうとしている。 ③和音の響きや移り変わりに興味・関心をもち、和音に含まれる音や与えられたリズムを使って旋律をつくり、反復や変化、音楽の縦と横の関係を生かしてまとまりのある旋律に仕上げる学習に主体的に取り組もうとしている。 ①歌声の重なり、和音やその移り変わり、音楽の縦と横の関係を聴き取り、その働きが生み出す響きのよさを感じ取りながら、歌い方を工夫して、より美しい響きを自ら求めている。 ②楽器の音の重なり、和音やその移り変わり、調の違い、音楽の縦と横の関係を聴き取り、その働きが生み出す響きのよさを感じ取りながら、楽器の演奏の仕方を工夫して、より美しい響きを自ら求めている。 ③和音やその移り変わりを聴き取り、その働きが生み出す響きのよさを感じ取りながら、和音に含まれる音や与えられたリズムを使って旋律をつくり、反復や変化、音楽の縦と横の関係を生かして、まとまりのある旋律になるように、試行錯誤しながら工夫している。 ①互いの歌声を聴き合いながら、バランスに気をつけ、友だちの歌声と溶け合うように歌っている。 ②互いの音を聴き合いながら、和音の響きの違いや旋律の重なり方の違いをいかして、バランスのとれた演奏をしている。 ③和音に含まれる音や与えられたリズムを基に即興的に旋律をつくったり、自分なりのまとまりのある旋律をつくったりしている。

5.題材の指導計画(9時間扱い 本時8/9)

主な学習活動・内容 指導上の留意点
一 星の世界 ○曲全体の感じをつかみ、旋律の動きに気をつけながら主な旋律を歌う。 ・各声部と全体の響きに興味関心をもちながら歌っている。

【ア① 発言内容・行動観察】

○響きとその移り変わりを確かめながら和音パートを歌う。 ・歌声の響きや和音の移り変わりを感じ取りながら歌い方を工夫している。

 【イ① 演奏聴取】

○主な旋律とのバランスに気をつけながら、互いの声を聴き合って合唱する。 ・互いの歌声を聴き合い響きやバランスに気をつけながら、溶け合うように歌っている。

【ウ① 演奏聴取】

二 雨のうた ○範奏を聴いて曲全体の感じとその構成をつかむ。 ・長調と短調の響きの違いに気をつけながら主体的に聴いたり演奏したりしている。

【ア② 演奏観察】

○短調や長調の和音の響きを感じ取りながら表現の仕方を工夫して演奏する。 ・和音の響きやその移り変わりがより美しくなるように演奏の仕方を工夫している。

【イ② 演奏聴取】

○主旋律と副旋律の重なり方の違いを確認し、バランスよく聴こえるように演奏する。 ・和音の響きや旋律の重なり方などの違いをいかして、バランスのとれた演奏をしている。

【ウ② 演奏聴取】

三 旋律づくり ○創作する曲の構成について知り、歌詞に合わせたリズムを考える。 ・歌詞をもとにしながら、それに合うリズムを作る活動に主体的に取り組んでいる。

【ア③ 発言内容・行動観察】

8本時 ○和音に含まれる音やリズムに着目して、まとまりある旋律に作り上げる。 ・和音に含まれる音やリズムをもとに、即興的に旋律を作り、まとまりのある旋律になるように工夫している。

【イ③ 行動観察や作品聴取】

○つくった旋律を和音伴奏と合わせて歌い、和音の響きやその移り変わりの美しさを味わう。 ・でき上がった旋律を、よりまとまりのあるものに仕上げている。

【ウ③ 行動観察や作品聴取】

6.本時の学習 (本時8/9)

(1)目標

和音伴奏の響きとその移り変わりに合うようなまとまりある旋律になるように工夫することができる。

(2)展開

過程
時間
学習活動 指導上の留意点
(○発問 ●指示 ・支援 C児童の反応)
☆評価(方法)
・準備物

だく

本時への焦点化

5分

1 前時で創作した作品を鑑賞し、課題意識をもつ。

 

●自分たちで作った和音伴奏やリズムを振り返ってみましょう。

・和音伴奏に合わせたリズムと歌詞を確認し、リズムに音階を加える活動への見通しや活動への意欲を高める。

和音伴奏に合う歌いやすいせん律を考えて学級歌を作ろう。
電子黒板
タブレットPC

どむ

自力解決

7分

2 作りたい旋律について、自分の考えをもつ。

 

 

 

●前の時間に自分で作った旋律を聴いてみましょう。

Cこの部分はできた。歌いにくい部分もあるな。

・自分で作った旋律部分を聴き、作り変えてもよいことを伝える。

手順カード
個人用ワークシート
キーボード

ばす

協働解決

 

30
3 グループごとに、旋律づくりをする。

 

4 曲全体のまとまりを考えて旋律を仕上げる。

●各グループで協力して、それぞれの部分の旋律を作ってみましょう。

・作った旋律のまとまり感や和音との調和を試聴しながら何度も作りかえてよいことを伝える。

●各グループが作ったものを全体でつなげて聴いてみましょう。

Cなかなかよくできたぞ。でも歌いづらいところもあるな。

・音の落差が大きいほど旋律に動きが出るが歌いづらくなることをおさえる。

○曲の山はどこにしますか。山のてっぺんにくる音(言葉)はどれですか。

C3列目か4列目にしたいね。

・音の高さに着目させて考えられるようにする。

グループ用ワークシート
タブレットPC

【評価】
和音に含まれる音やリズムをもとに、即興的に旋律を作り、まとまりのある旋律になるように工夫している。
【創】(行動の観察・作品の聴取)
<Bに達しない児童への手立て>グループや全体での話し合いを参考にさせる。

電子黒板
タブレットPC

かす

発展定着

3分

5 作り上げた曲を全体で歌う。 ●最後に、作った学級歌をみんなで歌ってみましょう。

・次時の活動について展望を持たせて終えるようにする。

電子黒板

 

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