異名同音(エンハーモニック)とは、「記譜上は異なるが、実際の鍵盤上では同一となる音」のことです。
例えば、ド#とレbは記譜上はもちろん異なりますが、演奏すれば同じ音です。
スコアメーカーでは、パソコンのキーボードやMIDIキーボードからステップ入力したとき、移調を行ったときなどにこの異名同音の変換を行いたくなることがあります。あるいは、すでに入力された楽譜に対して、あるルールで異名同音変換処理を行いたいときもあるでしょう。
これまでのスコアメーカーで異名同音変換を行おうとすると、音の高さを変える処理と臨時記号を変える処理の2つのステップを踏む必要がありました。
しかし、この拡張キットの「異名同音変換」では、変更したい箇所を選択してオプションを選択するだけで、簡単に異名同音変換を行うことができます。
設定ダイアログボックス
小節を選択し、「拡張機能」メニューの「編集拡張キット」から「異名同音変換」を選択すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。
「変更範囲」「方法」「オプション」の選択項目があります。
「方法」で異名同音変換の方法を選択します。#系(シャープ、ダブルシャープ)で表記したい場合は「すべて#系にする」を、b系(フラット、ダブルフラット)で表記したい場合は「すべてb系にする」を選択します。
「調毎のテーブルを使う」は、各調の異名同音変換可能な音ごとに#系とb系のどちらを使用するかを選択するもので、選択した結果は自分用の設定として保存されますので、一度設定してしまえば、いつでも同じ設定で異名同音変換を行うことができます。
「コードネームも変換する」のオプションがオンの場合は、音符に付いた臨時記号だけでなく、コードネームのルートやベース音の音名に関しても同様に異名同音変換します。
オプションを選択して「OK」ボタンを押すと、変更範囲の楽譜がオプションに従い変更されます。