うた屋です。
前回のスペーシングルールの話、いかがでしたか?ちょっと違いが分かりにくかったかもしれませんね。
今日はもう少し実用的なテクニックをご紹介しましょう。
認識した楽譜を修正したり、既存の曲をアレンジしたりしているときに、臨時記号と前の音符が重なりがちになることがよくあります。特にピアノ曲のように音符が詰まっている楽譜でよく発生します。
新規作成状態から音符を貼り付けていくときなどは、スペースが足りなくなったら自動的に段落あたりの小節数を減らしたりして、音符や臨時記号が余裕を持って配置されるのであまり重なりが発生しません。
ところが認識した楽譜の場合、段落が勝手に改行しないように「段落ロック」されています。この状態で音符をたくさん詰め込もうとすると、逃げ場がなくなって重なりが発生してしまいます。
これを解決するのにもスペーシングルールの設定が重要な鍵になります。
ほとんどのテンプレートでは、スペーシングルールの「音符の配分」のところが、4分音符を50テンスとして黄金分割しています。つまり、4分音符と4分音符の間隔が五線の高さ(=40テンス)より少し広いくらいになるように設定されています。(下図)
この設定のまま、下の楽譜(「展覧会の絵」のプロムナード)のように元々4分音符がぎっしり詰め込まれた楽譜をスペーシングするとどうなるでしょう?
下のように臨時記号と前の音符がくっついたり重なったりする箇所がいくつかできてしまいました。1段落中の音符が多すぎて4分音符の間隔を50テンスにするのが困難なために、しわ寄せが来ているのです。
そこで、この曲の4分音符の実際のスペースに合わせて30テンスくらいに設定してみます。
この設定で再スペーシングすると、臨時記号の重なりも解消します。
教訓!詰まって重なるようだったら、スペーシングルールの値を小さくしてみよう。