うた屋です。

サンプル楽譜解説シリーズの2回目は、グリーグ作曲「ホルベルク組曲」の前奏曲です。

グリーグといえばペール・ギュントが有名ですね。ところで、この「ホルベルク組曲」は「ホルベアの時代から」というのが正式な名前です。グリーグと同じノルウェーの文学者ルズヴィ・ホルベアを讃えて、最初はピアノ曲として作曲されました。

サンプル楽譜に収録されているのは、グリーグ自身によって編曲された弦楽合奏版の第1曲「前奏曲」です。ホルベアが生きていた時代の音楽様式であるバロックのスタイルで書かれています。

と、前置きが長くなりましたが、このサンプル楽譜には、スコアメーカーFXシリーズの技がいろいろと使われていますので、それをご紹介しましょう。

この楽譜、冒頭は4パートで書かれていますが、途中からチェロとバスが3つの五線(1つの大譜表と1つの単独譜表)に展開されていますね。先頭のパート名には「Violoncello e Basso」(チェロとコントラバス)というパート名が2行で書かれています。パートを選択してプロパティで「パート名」の欄で入力したものですが、パート名は複数行で入力することもできます。


そして、このように曲の途中でパートの編成が変わる楽譜は、スコメのような本格的な楽譜作成ソフトでは自由に作成できますね。(廉価なソフトや、ふた昔くらい前のソフトではできませんでした。)

その仕組みは、[画面]メニューで「マスク記号」をオンにしてみたり(Ctrl+U)、演奏パネルを見てみるとよく分かります。

途中、演奏の音を厚くするために、マスクしたパートにも音符があったりするんですよ。

それと、10小節目から低音パートをピチカートにして、16小節目でアルコに戻しているのが分かりますか?

自由テキストでpizz.と書いて、その場所に「ピチカートストリングス」の音色記号を貼り付けてマスクしています。実はこのやり方は以前のスコメでもできたんですが、Proだともっとスマートな方法があります・・・

・・・そう、pizz.という発想標語を作成して、その演奏方法として「楽器の種類」を設定して貼り付ければOKです。

その他にも、「マスク記号」の表示をオンにして全体を眺めると、いくつかのテクニックが使われていることがわかると思いますよ。